パンは有害な微生物が死滅する条件で焼き上げるため、衛生管理で気を配るのは、焼成後にクリームや具材を加える工程と、卵・乳のアレルゲン対策です。
とはいえ、仕込みや焼成に追われながら、冷蔵庫の温度や手洗いの記録を紙で残し続ける負担は、小さな店ほど大きくなります。今回は、紙の記録に代わるHACCPシステムのうち、パン・ベーカリーで使いやすいおすすめの3つを紹介します。
FOOD CAPTAIN(株式会社ハピクロ)

| 会社名 | 株式会社ハピクロ |
|---|---|
| 住所 | 北九州市八幡西区沖田4丁目11番32号 |
| 電話番号 | 090-6893-0428 |
FOOD CAPTAIN – FHMSは、福岡県北九州市の株式会社ハピクロが手がける、ITやIoTで食品衛生管理の手間を減らすサービスです。飲食店にも食品製造業にも対応しており、イートインを併設したパン製造の会社にも導入されています。
専門家が監修した項目から店に合った衛生管理計画を作れる
FOOD CAPTAINには、公益財団法人北九州生活科学センターが監修した衛生管理の項目があらかじめ用意されており、店舗に合った計画書を最小限の手間で作成できます。パン屋の場合、厚生労働省が公開しているパン類製造の手引書が一般衛生管理に加えて重点的な管理を求めているのは、アレルゲンや金属片の混入、焼成後に加工する工程の菌などです。
チェック項目は自由に設定できるため、製品を切り替えるときの器具の洗浄や、焼成後の作業での手袋の着用といったパン屋ならではの確認も記録に組み込めます。日々の入力は基本的にタッチするだけで完了します。
計画の立て方に不安がある人は、食品衛生コンサルタントによる30分の無料オンライン相談を利用してみてください。
月額1,100円から始められ、冷蔵庫の温度も自動で記録できる
FOOD CAPTAINの料金は、1店舗で使うライトプランなら月額1,100円(税込)で、重点的に管理する項目と一般衛生管理の計画作成から、日々の実施記録までが含まれます。ライトプランの最低契約期間は1年で、専門家に入力内容を毎月チェックしてもらいたいなら、スタンダードプラン(1店舗目は月額8,800円・税込)を検討しましょう。どちらのプランも、2店舗目以降は1店舗ごとに月額5,500円(税込)が加わります。
IoT自動記録オプションは、冷蔵庫や冷凍庫の温度をセンサーで記録し、異常があれば責任者に電話かメールで知らせる仕組みです。FOOD CAPTAINはFSSC22000などの認証規格にも対応しているため、卸売り向けの工場を持つ店でも使い続けやすいでしょう。
ACALA(タイムマシーン株式会社)

| 会社名 | タイムマシーン株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区日本橋人形町1-5-5 芳町ビル2F |
| 電話番号 | 03-6264-8603 |
ACALAは、東京都中央区のタイムマシーン株式会社が開発から運用までを手がける、クラウドで温度を管理するサービスです。冷蔵庫や冷凍庫を見守る「ACALA MESH」と、食材の中心温度を記録するハンディ型の芯温計「ACALA FT」を組み合わせて使えます。
生地やクリームを保管する冷蔵庫の温度を閉店後も見張る
ACALA MESHは、パン屋が毎日つけている冷蔵庫や冷凍庫の温度記録を、無線のセンサーに任せられるシステムです。センサーが閉店後も1分ごとに温度を測ってクラウドへ送り続け、基準の温度から外れればメールや電話でアラートが届きます。そのため、夜のうちに冷蔵庫が故障しても、翌朝まで気づかない事態を防げるでしょう。日報や月報も、決まった日時にCSVやPDFの帳票で受け取れます。
カレーパンのフィリングなど加熱後の具材の温度を記録できる
ACALA FTが向いているのは、調理パンの具材のように、温度管理が欠かせない工程の記録です。パン類製造の手引書では、カレーパンに使うフィリングは調理後に速やかに冷却して冷蔵保管するよう示されており、加熱後や冷却後の温度は、HACCPで特に管理を徹底する工程(CCP)に選ばれることも少なくありません。
芯温計は重さ約60gで、測った温度を専用の端末に読み取らせるだけで、誰が・いつ・何を測り何℃だったかとともにクラウドへ保存される仕組みです。
「加熱→冷却→再加熱」と続く工程の記録もひもづけられます。冷却後の冷蔵保管まで記録に残すなら、公式がすすめるとおりACALA MESHと組み合わせた導入を検討しましょう。
KAMINASHIレポート(株式会社カミナシ)

| 会社名 | 株式会社カミナシ |
|---|---|
| 住所 | 東京都千代田区神田鍛冶町3-7 神田カドウチビル3F |
| 電話番号 | 03-6206-0374 |
KAMINASHIレポートは、東京都千代田区の株式会社カミナシが開発した、現場の帳票をデジタル化するシステムです。紙の点検表をタブレットに置き換えるもので、食品製造や飲食の現場ではHACCPの導入や認証の更新にも使われています。
粉や水を扱う工房でも記録が汚れず、入力漏れも防げる
カミナシ レポートなら、打ち粉や水を使うパン工房でも、紙の記録表が濡れたり汚れたりする心配がありません。手がふさがった状態でも音声メモで記録を残せるので、生地を扱う作業を止めずに済みます。
必須入力の設定で記入漏れを防ぎ、基準値から外れた記録は逸脱アラートが責任者へ知らせるため、異常にもすぐ気づけるでしょう。
写真や動画で確認の基準をそろえる画像記録を使えば、パートやアルバイトが交代で作業する店でも、焼成後の器具の洗浄といった確認を同じ水準で続けられます。
ラベル間違いのAIチェックと多言語翻訳で製造の現場を支える
パン類製造の手引書によると、特に注意が必要なアレルゲンは卵と乳で、正しい表示も一般衛生管理の項目のひとつです。カミナシ レポートには、製品回収や廃棄につながるラベル間違いをAIで自動チェックする機能があり、目視によるダブルチェックの負担を減らせます。
さらに、帳票やマニュアルを英語やベトナム語などへ自動で翻訳できるため、外国人の従業員が働く製パン工場でも記録のルールを正しく伝えられるでしょう。料金は初期費用と、プランやIDの数で変わる月額費用で構成されるので、まずは無料のデモで自社の帳票に合うかを確かめてください。
まとめ
パン・ベーカリーでHACCPシステムを選ぶなら、どの記録の手間を減らしたいかから考えましょう。衛生管理計画づくりから日々のチェックまでを低コストで電子化したい店には、FOOD CAPTAINが向いています。
冷蔵庫や調理パンの具材の温度をクラウドに残したいならACALA、粉や水を扱う現場で記録の抜けやラベルの間違いを防ぎたい工場ならKAMINASHIレポートが候補になるでしょう。3社とも導入前に相談できるため、自店の製造工程を伝え、使い方を確かめてください。