HACCPの記録は、店舗が増えるほど紙では回らなくなります。書き忘れが1店舗でも出れば、食中毒などが起きたときに保健所へ出す記録がそろいません。
選ぶ軸になるのは、本部でまとめて管理できる機能と、1店舗あたりの費用の2つです。今回は、チェーン店にも対応するHACCPシステムを3つ紹介します。
FOOD CAPTAIN(株式会社ハピクロ)

| 会社名 | 株式会社ハピクロ |
|---|---|
| 住所 | 北九州市八幡西区沖田4丁目11番32号 |
| 電話番号 | 090-6893-0428 |
FOOD CAPTAIN – FHMSは、株式会社ハピクロが提供する食品衛生管理のサポートソリューションです。公益財団法人北九州生活科学センターの監修を受けており、HACCPだけでなくISO22000やFSSC22000、JFS-A/B/Cといった認証規格にも対応しています。料金の組み立て方と、記録を自動化する仕組みの2点から紹介しましょう。
拠点が増えたときの月額を先に読める料金体系
出店の予定があるなら、店舗を1つ増やしたときの増額が分かると判断しやすくなります。
ライトプランは1拠点あたり月額1,100円(税込)で、2店舗目以降は1店舗につき5,500円の追加です。スタンダードプランなら1拠点目が月額8,800円(税込)で、2拠点目以降は同じく5,500円ずつ増えます。どちらも導入拠点数による割引があり、初期費用は不要で月額のみの料金体系です。
2つのプランは、専門家による月次チェックと本部管理者による多拠点管理が付くかどうかで分かれます。まず1店舗で試すならライトプラン、本部でまとめて実施状況を見たいならスタンダードプランを選びましょう。ライトプランには1年の最低契約期間がある点にも注意が必要です。
冷蔵庫の温度を自動で記録し、異常は電話で知らせる
記録の書き忘れが心配なら、人が入力しない仕組みまで含めて考えましょう。
IoT自動記録オプションを付けると、冷蔵庫・冷凍庫の温度や室内の温湿度をセンサーが計測して自動で記録し、異常を感知すると現場責任者のスマートフォンへ電話またはメールで通知します。料金は1拠点あたり月額8,800円(税込)の追加で、センサーや通信機の初期費用は設置状況に応じた実費です。
本部側では各拠点の実施状況を1か月ごとに承認でき、エリアや部門に分けた管理も可能です。深夜に冷蔵庫が止まる事態まで想定するなら、電話でも通知が来るかどうかを比較の軸にしてください。
KAMINASHIレポート(株式会社カミナシ)

| 会社名 | 株式会社カミナシ |
|---|---|
| 住所 | 東京都千代田区神田鍛冶町3-7 神田カドウチビル3F |
カミナシ レポートは、株式会社カミナシが提供する現場帳票システムです。導入現場数は17,000以上、業界数は30を超え、47都道府県すべてで使われています。チェーン店での実績と、HACCP以外の帳票への広がりという2点を取り上げましょう。
全国約350店舗のチェーンで使われている
店舗数が多いほど頼りになるのは、同じ規模で動いている事例です。
ロイヤルフードサービス株式会社は、「ロイヤルホスト」や「てんや」など全国約350店舗でカミナシを活用し、紙の帳票を減らして品質管理の強化につなげました。同社の実績を参考にした計算では、現場での作業ミスが98%、管理者の工数が96%削減できるとされています。
ただし数字だけで決めると、業態の違いに足をすくわれかねません。自社と近い店舗数・業態の導入事例を見せてもらい、どの帳票をデジタル化したのかまで聞いておきましょう。
HACCPの記録に加えてSV巡回や店舗監査もまとめられる
帳票が何種類もあるなら、HACCPだけを電子化しても紙は店舗に残ります。
飲食業界での用途は、HACCP導入のほか、SV(スーパーバイザー)巡回レポート、店舗の日々のチェック、店舗監査の集計やランキングまでです。
従業員向けには画像記録や音声・手書きメモ、逸脱アラート、多言語翻訳があり、管理者向けには帳票の一括承認とデータの自動集計・出力がそろっています。外国籍のスタッフが多い店舗では、多言語翻訳が入力の壁を下げてくれるでしょう。
料金は、アカウント発行や導入支援を含む初期費用と、プランとID数で変わる月額費用の組み合わせです。金額は公開されていないので、見積もりを頼む前に、いま店舗で使っている紙の帳票の種類と枚数を数えておいてください。
HACCP Bell(関東食糧株式会社)

| 会社名 | 関東食糧株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 埼玉県桶川市大字川田谷2459-1 |
| 電話番号 | 048-786-9111 |
HACCP Bell(ハサップベル)は、関東食糧株式会社が運用し、株式会社インテンスが開発したスマートフォン・タブレット用アプリです。1〜5店舗のオーナー向けの通常版と、多店舗経営向けのチェーン店版に分かれています。注目したいのは、チェーン店版の仕組みと始めやすさの2点です。
支払いと記録を本部でまとめられるチェーン店版
通常版が想定しているのは1〜5店舗のオーナーで、それを超えるとチェーン店版が対象です。チェーン店版には本部一括管理機能があり、各端末の支払いと衛生管理データを本部でまとめて扱えます。
登録できる店舗数に上限はなく、利用には申し込みが必要です。店舗側にはスマートフォンでの毎日の衛生チェックだけを任せる運用に向いています。チェーン店版の料金は公開されていないので、現状の店舗数と本部で何を見たいのかを整理したうえで、公式サイトのフォームから相談してください。
月額650円と1か月の無料トライアルで試せる
いきなり全店へ導入する決断まではつかない、という段階でもかまいません。
HACCP Bellプレミアムの料金は月額650円(税込)で、1か月の無料トライアル付きです。衛生管理計画表やメニューのテンプレートが搭載されているため、インストール後は表示に従って入力するだけで管理を始められます。
運用するのは、昭和42年12月設立の業務用食品卸である関東食糧株式会社で、販売先は約9,000件にのぼります。ただし、サービス内容の問い合わせに電話は使えず、窓口は公式サイトのフォームだけです。途中解約でも満了日までの料金は発生するので、無料トライアルのうちに現場が使えるかを見極めてください。
まとめ
チェーン店でHACCPシステムを選ぶなら、店舗数と電子化したい帳票の範囲から絞り込みましょう。拠点ごとの月額を先に知りたい場合はFOOD CAPTAIN、巡回レポートや店舗監査までまとめたいならカミナシ レポートが向いています。
まず1店舗で試すなら、月額650円から始められるHACCP Bellも選択肢に入るでしょう。どのシステムも、現場のスタッフが毎日触らなければ記録は残りません。無料トライアルやデモで実際に入力してもらってから決めるようにしましょう。